ギター用のマルチエフェクターのZOOM「G1 FOUR」とBOSS「GT-1」には、様々なペダルをモデリングしたエフェクトがいくつか入っています。

音作りをする上でモデリングの元になった実機にどのような特徴があるのかを理解していると音作りのイメージがしやすくなると思います。

「G1 FOUR」や「GT-1」には沢山のエフェクトの種類があり、どれが何をモデリングしたものなのか分かりにくいこともあるので、一度整理してみたいと思います。

今回は歪み系(オーバードライブ・ディストーション)編です。


「G1 FOUR」と「GT-1」のどちらにも入っているもの



◆「TS Drive」「T-SCREAM」 ⇒ 「Ibanez TS808」




「TS Drive」と「T-SCREAM」も名前から分かりやすいですね。

いわゆる「TS系」(チューブスクリーマー)の原点である「Ibanez TS808」です。

ベテランのギタリストの方は「八百屋」(やおや)って呼んだりしますよね。

「G1 FOUR」と「GT-1」のどちらにも入っています。

今は「チューブスクリーマー」と言えば「TS9」を使っている人のほうが多いかも知れませんが、マルチエフェクターに入ってるのは「TS9」ではなく「TS808」だったりします。

実機の「Ibanez TS808」は中音域にピークのあるミドル寄りの音で、人によってはモコモコとした抜けの悪い音に感じるかも知れません。

高音域がキツいと感じるアンプとの合わせると高音域がカットされてちょうど良い音になる場合もあります。

実機は歪みを作るエフェクターとしてだけでなく、ブースターとして使っている人も多いと思います。

マーシャルのアンプを高音域を押さえつつ芯の太さを確保するという使い方がメジャーだと思いますが、スティーヴィー・レイ・ヴォーンがストラトキャスターとフェンダーのアンプと組み合わせていたのも有名ですね。

最近は「TUBE SCREAMER MINI」というコンパクトで安価なチューブスクリーマーも販売されているので気軽に実機を試してみることもできます。



ZOOMの「TS Drive」は実機のチューブスクリーマーぽい雰囲気を出していると思いますが、実機よりも癖が少なく、実機ほどモコモコ感が少ないので扱いやすいと感じました。

BOSSの「T-SCREAM」実機にそれほど似ていないような印象を受けてしまいましたが、実機のような癖が少なくGT-1に入っている歪み系ペダルの中では一番使いやすいと感じました。

緑色の見た目と、みんなが持っている御三家的な存在であることから、ポケモンに例えると「ゼニガメ」的な存在でしょうか。


◆「Squeak」「RAT」 ⇒ ProCo「RAT」


「G1 FOUR」に入っている「Squeak」と、「GT-1」に入っている「RAT」はProCoの「RAT」のモデリングです。「Squeak」のほうは名前がちょっとわかりにくい。



「RAT」は個性的なディストーションですよね。

学生の時に知人が「RAT」の実機を貸してくれて数ヶ月間使っていたのですが、当時の未熟な自分には「RAT」の良さを十分理解できませんでした。

一応ディストーションという括りに入っていると思いますが、弾いている人の技量がそのまま出るようなシビアなペダルで好き嫌いが激しく分かれると思います。

古臭い枯れたような音が出せるのが特徴的で、「ディストーションではなく『RAT』というジャンルのペダルなんだよ」って主張する人もいますね。

こういう個性的なペダルのモデリングがマルチエフェクターに入っているのは有り難いです。

「G1 FOUR」の「Squeak」は良い意味で「RAT」よりもアクが少なめで使いやすいです。

「GT-1」の「RAT」は、トーンを上げたほうが実機に近い雰囲気が出るような印象でした。

個人的には実機の「RAT」よりも好みかも。

黒っぽい見た目と使い方によっては最強という点で、ポケモンに例えると「ガブリアス」的な存在でしょうか。



◆「DIST Plus」  ⇒ MXR 「DISTORTION+」



「G1 FOUR」に入っている「DIST Plus」と、「GT-1」に入っている「DST+」は、MXR 「DISTORTION+」のモデリングです。どちらも名前が分かりやすくで良い。

「DISTORTION+」といえば、1973年頃に初めて「ディストーション」という名前が付けられて販売されたエフェクターで、「ディストーション」というジャンルを作った名機です。

ランディ・ローズが使っていたことでも有名ですね。

個人的にディストーションの中で「DS-1」や「RAT」よりも、この「DISTORTION+」のほうが使いやすく好みです。

高音域が攻撃的で荒々しい音色ですが明るいアメリカンな雰囲気もあり、ディストーションという割にはオーバードライブに近く(想像しているよりも歪まない)、設定によってはBOSSの「BD-2」に近い雰囲気になりますが、低域もタイトだったりします。

「DISTORTION+」だけで歪みを作るというよりもアンプのゲインと合わせて歪みを作るタイプのエフェクターなので、どのアンプに繋げるかで評価が全然変わってきます。

ジャズコーラス(JC-120)などのトランジスタアンプではあまり使い勝手が良くないので、マーシャルなどスタック型の真空管アンプと合わせるのが普通だと思います。

黄色い見た目と使い勝手が良い最強クラスの存在という点で、ポケモンに例えると「カイリュー」的な存在でしょうか。


◆「MetalWRLD」 ⇒ BOSS「Metal Zone」




「G1 FOUR」に入っている「MetalWRLD」と、「GT-1」に入っている「Metal Zone」は、BOSSの「Metal Zone」のモデリングです。

BOSSの「Metal Zone」は定番のディストージョンですが、せっかく「Metal Zone」を使うなら本家のBOSSの「GT-1」のほうが良さそうですね。

実機の「Metal Zone」はメタル的な歪みだけでなくハードロック的なディストージョン風の歪みも作ることが可能で守備範囲が広く、しかもEQの効きが良く細かい音質調整ができるので「ディストーションと言えばBOSSのMT2」という人も多いです。

個人的には「DS-1」よりも使いやすいと思います。

実機は「音が細くなる」とか「抜けが悪い」という人もいますが、ゲインを上げすぎないようにしてEQを12時付近で調整すれば、音が細いとか抜け悪いということはないと思います。

「G1 Four」に入っている「MetalWRLD」はEQが「Bass」と「Treble」の2種類しかなく、細かい音質調整ができないのが残念です。

黒っぽい見た目とその名前から、ポケモンに例えると「メタグロス」的な存在でしょうか。


◆「NYC Muff」 ⇒ Electro-Harmonix 「Big Muff Pi」




「G1 FOUR」に入っている「NYC Muff」と、「GT-1」に入っている「MUFF FUZZ」はElectro-Harmonix の「Big Muff Pi」のモデリングです。


ファズペダルの定番である「Big Muff」と言えばジミ・ヘンドリクスというイメージですが、「Big Muff Pi」が発売された1971年にジミ・ヘンドリクスはすでに亡くなっていたみたいですね。

とは言ってもやっぱりジミ・ヘンっぽい音がします。

フェンダーのアンプに組み合わせると良いイメージですが、どのアンプに繋いでも「Big Muff」っぽい雰囲気になります。

好きな人には無くてはならないペダルだと思いますが、個人的にはファズペダルは扱いが難しいので苦手です。

好きな人にとってはたまらないメジャーな存在で、太ったような音がすることから、ポケモンに例えると「カビゴン」的な存在でしょうか。




「G1 FOUR」にしか入っていないもの


◆「EP Stomp」 ⇒ 「Maestro Echoplex」(のプリアンプの部分)




「G1 FOUR」に入っている「EP Stomp」は「Maestro Echoplex」のプリアンプ部のモデリングです。

「Maestro Echoplex」の実機は、テープエコー(ディレイの元祖のような存在)なのですがエコーをオフにしてプリアンプとして使うだけでも倍音が豊かになって音が太くなるので、ジミー・ペイジやヴァンヘイレンなどのギタリストがプリアンプとしても使っていた名機です。

そのため今では「Maestro Echoplex」そのものを再現したペダルだけでなく、「Maestro Echoplex」のプリアンプの部分だけを再現したペダルも販売されています。

ZOOMの「EP Stomp」も「Maestro Echoplex」のプリアンプ部分だけを取り出して再現したブースターですね。

「Maestro Echoplex」のプリアンプ部を再現したペダルとしてはJIM DUNLOPの「EP101 ECHOPLEX」がメジャーですが、「EP101 ECHOPLEX」のほうは変化が控えめなのに対し、ZOOMの「EP Stomp」のほうが変化の程度が大きいと思います。

黒々とした見た目と伝説的な存在であることから、ポケモンに例えると「ネクロズマ」的な存在でしょうか。



  • ◆「RC Boost」 ⇒ Xotic 「RC BOOSTER」




「RC Boost」についてZOOMの説明書には「クリーン・ブーストから軽いドライブサウンドまでカバーするブースターです」としか書いていないのですが、名前からしてXotic の「RC BOOSTER」ですね。


Xotic のブースターには「RC Booster」の他に「EP Booster」「AC Booster」などがありますが、「RC Booster」はこの中でもクリーンにブーストすることが可能な癖の少ない素直なブースターで、他の楽器に埋もれないように音を前に押し出してくれるイメージです。

ZOOMの「G1 FOUR」に入っているクリーン系のアンプは、ペダルを組み合わせないと音量が小さくショボい雰囲気になってしまう場合があるのですが、そのような場合に「RC Boost」を入れて音圧を上げると良い感じになります。

他方ゲインの強いアンプの前に使うと変化率が多く予想外に歪む場合もあると思います。

そういう性格のブースターだと思って使えば良い感じなのですが、実機の「RC BOOSTER」と同じだと思って使うと少し戸惑うかもしれません。

「RC BOOSTER」が2万円以上するのに対し、ZOOMの「G1 FOUR」は1万円以下ですから文句は言えません。

黒い見た目と持っている人が多いことから、ポケモンに例えると「ゴローニャ」的な存在でしょうか。



◆「GoldDrive」 ⇒ 「KLON Centaur」(ケンタウロス)?



「GoldDrive」についてもOOMの説明書には「ブティックペダルを代表する金色のオーバードライブをモデリングしたエフェクトです」としか書いていないのですが、有名なブティックペダルで金色と言えば「KLON Centaur」(ケンタウロス)だと思われます。

「KLON Centaur」の特徴としては太く音抜けが良いサウンドです。

オリジナルの実機は非常にレアで値段も高いのですが、いわゆる「ケンタウロス系」という括りのクローンモデルのエフェクターが様々なメーカーから発売されています。





私はにケンタウロスの実機は使ったことがないので「ケンタウロスってこんな音がするのかなぁ」と思いながら使っているのですが、ZOOMの「GoldDrive」の音は耳障りが良く使い勝手も良いため個人的には好きです。

金色に輝く見た目と伝説的な存在であることから、ポケモンに例えると「ファイヤー」的な存在でしょうか。


◆「DYN Drive」⇒FULLTONE「OCD」


「DYN Drive」についてもZOOMの説明書には「簡単に真空管アンプの暖かいドライブトーンが得られるエフェクトです」としか書いていないです。

名前からBOSSの「DN-2」かと思いきや、Twitterに「OCDのモデリング」というツイートがありました。





FULLTONEの「OCD」(OBSESSIVE COMPULSIVE DRIVE)と言えば、トランジスタアンプとの相性が良く、ジャズコーラス(JC-120)対策のために実機を持っていたという人もいると思います。

またドライブを低めにしてブースターとして使うと、音を太く全面に押し出すことができます。

このように実機は色々な用途で使えるので、一時期はベストセラーと言えるほど売れていたペダルです。

白い見た目と、持っている人が多いけど時期によっては入手しずらいという存在であることから、ポケモンに例えると「アローラのサンド」的な存在でしょうか。


◆「RedCrunch」


「RedCrunch」についてもZOOMの説明書には「ブラウンサウンドの得られるエフェクトです」としか書いていません。

「ブラウンサウンド」と言えばヴァン・ヘイレンの代名詞のようなもので、ヴァン・ヘイレンのイニシャルが名前に入っているMXRの「EVH5150 Overdrive」というペダルが有名だったりしますが、「G1 Four」に入っているペダルは特定のペダルをモデリングしたものではないかも知れません。





「G1 Four」の「RedCrunch」は「ブラウンサウンド」と言っても古くさい雰囲気はなく、様々なジャンルで使えそうな音です。



◆「HG THRTTL」 ⇒Mesa Boogie「THROTTLE BOX」(GAIN SWITCH:HI / BOOST:ON)」




「G1 FOUR」に入っている「HG THRTTL」はMesa Boogieの「THROTTLE BOX」のモデリングです。

Mesa Boogieの「THROTTLE BOX」は、あの黒光りしている地獄から這い上がってきたかのような見た目をしているペダルですね。

音も見た目どおりハイゲインで重低音が鳴り響く、Mesa Boogieのレクチファイヤーっぽいサウンドです。

メタル風の刻みに良くある「ジャキジャキ・ザクザク感」はなく「図太い音」というイメージですね。

個人的にはMesa Boogieはペダルではなくアンプで作った音のほうが好きです。

「G1 Four」にはMesa Boogieのアンプのモデリングも入っているので、敢えてこの「HG THRTTL」を使って音作りをするメリットはあまりないかも知れません。

漆黒の見た目と攻撃的な性格であることから、ポケモンに例えると「グラエナ」的な存在でしょうか。


  • ◆「BG GRID」 ⇒ Mesa Boogie「GRID SLAMMER」




「G1 FOUR」に入っている「BG GRID」はMesa Boogieの「GRID SLAMMER」のモデリングです。

こちらも実機の見た目は黒光りしたデスメタル風の雰囲気ですが、音は歪み量が少ないオーバードライブ風のペダルですね。

癖の強い「THROTTLE BOX」よりも使いやすいと思います。

「GRID SLAMMER」の実機は使ったことがないので、「G1 Four」でモデリングを遊べるのはうれしいです。

黒い見た目であるものの歪みの量が少ないことから、ポケモンに例えると「ポチエナ」的な存在でしょうか。


◆「DIST 1」  ⇒ BOSS「DISTORTION DS-1」


「G1 FOUR」に入っている「DIST 1」はBOSSの「DS-1」のモデリングです。



「DS-1」はZOOMの「G1 FOUR」には入っているのですが、BOSSの「GT-1」の説明書には「DS-1」の名前は出てこないです。

ただ、「GT-1」に入っている「DISTORTION」というエフェクトがDS-1の音に近いです。

BOSSの「DS-1」の実機はBOSSの数あるエフェクターの中でも5000円台と安く中古品も多く出回っていて、しかも名前も「ディストーション」と分かりやすいので、初めて買ったエフェクターが「DS-1」だったという人も結構いるのではないでしょうか。

高校生が文化祭で使ったりしているイメージですが、ベテランギタリストがこの「DS-1」1個でとても素敵な音を出していることもあったりします。

いかにも「ディストーション」という雰囲気の音が簡単に出るんですが、この「DS-1」で格好良いディストーションサウンドを作ろうとすると意外と結構難しい。。。

昔からあるシンプルでベーシックなエフェクターであるが故に奥も深く、意外と上級者向けかも知れませんね。

私はいまだに使いこなせる気がしません。

オレンジ色の見た目と、初心者向けの御三家的な存在でありつつ、上級者が育ててから使うと強いという点で、ポケモンに例えると「ヒトカゲ」的な存在でしょうか(育てるとリザードン)。





◆「Zen O.DRV」  ⇒ Hermida Audio「Zendrive」



「G1 FOUR」に入っている「Zen O.DRV」はHermida Audioの「Zendrive」のモデリングです。

「Zendrive」は以前は入手困難な伝説のオーバドライブ的な存在でした。

なので名前は聞いたことあるけど実機は見たことはないし実機の音も聞いたことがないという人が多いのではないかと思います。(私はそうです。)

最近になって日本でも販売されるようになりやや入手しやすくなったようですが、実機のお値段は高いです。

ロベン・フォードが使用していたとか、脱TS系だとか、幻のギターアンプであるダンブル系だとか言われていますが、正直私はよく分かっていないです。

ハムバッカーのギターとフェンダーのアンプと相性が良いと言う人が多いですね。

「G1 FOUR」の「Zen O.DRV」あくまでモデリングですが、こういったレアなペダルのモデリングが入っていると遊べる幅が広がるので嬉しいですね。

シルバーの見た目と伝説的な存在であることから、ポケモンに例えると「ギラティナ」的な存在でしょうか。




◆「VioletDST」 ⇒ SUHR 「Riot Reloaded」


「G1 FOUR」に入っている「VioletDST」はSUHR(サー)の 「Riot Reloaded」のモデリングです。

実機はあの紫色が鮮やかなボディが特徴的なやつですね。



今風の「いかにもディストーション」という感じ抜けの良いのサウンドが出せます。

最近の音楽ばかりを聞いてきた人が「DS-1」や「RAT」を使うと「イメージしていた歪みの音ではない」となってしまうことも多いと思うので、現代的なディストーションサウンドを求めるなら「Riot Reloaded」のほうが比較的無難な音が出しやすいと思います。

紫がかった見た目と使い勝手の良さから、ポケモンに例えると「ゲンガー」的な存在でしょうか。


「GT-1」にしか入っていないもの



「GT-1」はBOSSのマルチエフェクターということだけあって、BOSSの名機がいくつか入っています。

ZOOMの「G1 FOUR」に比べると、この点は「GT-1」の強みですよね。

◆「BLUES OD」 ⇒ BOSSの「BD-2」(風)


説明書を見ると「BLUES OD」は「ボスBD-2風」と書いてあります(モデリングとは言っていない)。

「BD-2のモデリング」と書くと「BD-2」が売れなくなるからなのか、マルチエフェクターに合わせてサウンドを調整しているのかは分かりませんが、「GT-1」に入っているBOSSのエフェクトの多くは「~風」となっています。

「BD-2」は定番のオーバードライブですね。



過去に「BD-1」という名称のペダルがあった・・・かというと、ありません。

また名前に「ブルース」と付いていますが、ブルース以外のジャンルにも使えるオールラウンダー的な性格のペダルです。

サウンドハウスで販売されているオーバードライブの中で評価件数が一番多く、様々なモディファイ品が存在することからも人気の高さがうかがえます。

ピッキングの強弱にあわせて歪みが変動しピッキングのニュアンスが分かりやすいと良く言われます。

ジャキジャキした粗めの歪みとざらついた耳に刺さるような高音が特徴的ですが、それとは対象的に低音が弱めです。

モディファイ品の中には低音の弱さをフォローしたものもありますが、同じBOSSの「SD-1」や「OD-3」に比べると癖が強いので、好き嫌いは分かれるところだと思います。

「GT-1」に入っている「BLUES OD」は、サウンドの傾向としては「BD-2」に良く似ているとは思うんですが、「BD-2」よりも大人しいような気がします。

個人的には「GT-1」の「BLUES OD」よりも実機の「BD-2」の音のほうが好きです。

「GT-1」がいろんな機能があって2万円程度なのに対し、実機の「BD-2」は1万円ちょっとするので、実機レベルのクオリティを期待するほうが間違っているのかも知れませんが、少し残念です。



◆「OD-1」 ⇒ BOSSの「OD-1」



「GT-1」に入っている「OD-1」は名前のとおりBOSSの「OD-1」のモデリングです。

こちらは説明書には「~風」ではなく「モデリング」と書いています。

現在BOSSから販売されているオーバードライブは先ほどの「BD-2」の他に「SD-1」と「OD-3」がありますが、「OD-1」はかなり前に廃盤になっています。

BOSSの「SD」シリーズと「OD」シリーズの区別はややこしいです。

「OD-1」はBOSSが最初に販売したペダルの1つで、BOSSの歴史の中では一番古いオーバードライブです。「オーバードライブ」というジャンルを作った言わずと知れた名機ですね。

「OD-1」にはゲインとボリュームの2つのツマミしか無かったですが、これにトーンのツマミを加えたのが「SD-1」だと言われています。

「OD-1とSD-1は音も違う!」という人もいますが、音の傾向は似ていて、強い歪みは苦手でカッティング用に使われたり、ブースターとして使われることが多いです。

これに対して「OD-3」は、歪みの範囲が広く「OD-1」等よりも強く歪ませることが可能で、低音も出しやすくオールランダー的なオーバードライブです。

整理すると

「OD-1」の後継機種が「SD-1」(「OD-1」≒「SD-1」)

「OD-3」は別のジャンルのオーバードライブ

なので「GT-1」に入っている「OD-1」は、「SD-1」と似たようなものだと考えると分かりやすいと思います。

(「OD-1」と「SD-1」の音は違うという方々からは怒られてしまいそうな大雑把な説明ですが。)

古くからあるペダルだけあって1980年代の匂いもしますね。

「OD-1」のモデリングは「GT-1000」や「ME-80」など、他のBOSSのマルチエフェクターにも入っています。




◆「TURBO OD」 ⇒ 「OD-2」(風)



こちらも説明書を見ると「BLUES OD」は「ボスOD-2風」と書いてあります(モデリングとは言っていない)。

「OD-2」は1999年まで生産されていたペダルです。。

実機は「OD-1」を参考にして作られたようですが、「OD-2」はオペアンプを使わないディスクリート回路で作らており、右上に「TURBO」と書かれたツマミがあるのが特徴的です。

この「TURBO」のオンオフを切り替えることで、より強く歪ませることが可能でした。

「OD-1」を参考にして作られたということだけあって「TURBO」をオフにした状態では「OD-1」と同じ傾向の音がしますが、「TURBO」をオンにすると「OD-3」よりも強く歪みます。

年配の方によっては1980年代の邦楽のヒットソングを思い出させるような懐かしいペダルかも知れません。

生産中止になっていますが人気があって馬鹿売れしていたペダルであったせいか、今でも中古市場で比較的安く入手できます。

「GT-1」の説明書には「ボスOD-2風の、ハイ・ゲインなオーバードライブ・サウンド」と書かれているので、「TURBO」をオンにした時の強い歪みを再現しているのだと思います。(名前も「TURBO OD」ですしね。)



◆「GUV DS」 ⇒ Marshallの「GUV’NOR」



「GT-1」に入っている「GUV DS」はMarshallの「GUV’NOR」のモデリングです。

実機は独特の見た目をしていて、手軽にアンプっぽい音が出せるということで昔は使っている人も多かったみたいです。

もの凄い既視感があるので昔のバンドのメンバーが使っていたと思うのですが、思い出せない・・・。

「GUV’NOR」を通すとどんなアンプでもマーシャルから出したような音がする、というのが売りだと思うのですが、最近では各社のマーシャルのアンプモデリングの技術も上がってきていますし、自宅でもマーシャルっぽい音が簡単に出せるようになったので実機の「GUV’NOR」を使っている人は少なくなっているかも知れません。

当時はスタジオやライブハウスにマーシャルのアンプがない時に使っていたのか、それとも自宅にあるアンプからJCM800っぽい音を出したい時に使っていたのでしょうか。

ベテランの人の中には「こういう使い方をすれば素敵が音が出る」的なノウハウがあるのかも。

「GT-1」の「GUV DS」を実際に使ってみた印象としては・・・「ガバナーってこんな音だったっけ?」という感じでした。雰囲気は出ていますが、あまり似ていないかも知れません。

「GT-1」のプリアンプ一覧を見ると「HiGAIN STK」という名称の「ビンテージMarshallにCOSMならではのモデリング技術によって特別な改造を施した、ハイ・ゲイン・サウンド」のプリアンプは入っているのですが、それ以外にマーシャルのアンプモデリングはないようなので、マーシャルの音を出したかったらこの「GUV’NOR」のペダルのモデリングも使ってみて、という趣旨なのかも知れません。

個人的にはマーシャルのアンプのモデリングは、「GT-1」もZOOMの「G1 FOUR」のほうが好きです。



◆「60S FUZZ」 ⇒ 「FUZZFACE」


「GT-1」に入っている「60S FUZZ」は名前のとおり「FUZZFACE」のモデリングです。



あのUFOみたいな独特の見た目をしたやつですね。

元々はマイクスタンドの下の部分を使って作られていたんだとか。

「Big Muff」と同様に「FUZZFACE」と言えばジミー・ヘンドリックというイメージですね。

ファズですが、そこまで極端に歪む訳でもなくファズの中では使いやすいほうだと思います。

スタック型の真空管アンプと組み合わせるパターンが多いと思います。




以上、ZOOM「G1 FOUR」とBOSS「GT-1」のエフェクトの整理「オーバードライブ・ディストージョン」編でした。多かった。。。

実機とモデリングは違うものの、「G1 FOUR」と「GT-1」があるだけで、これだけの様々なペダルの雰囲気が味わえるのは面白いですね。

これだけのペダルを実機で全部集めるとすると結構な金額になりますが、「G1 FOUR」と「GT-1」を合わせても3万円しないですからね。コンパクトエフェクター1個~3個分くらいの値段で色々と遊べます。

またT-RackやWavesのプラグインでもそうですが実機をモデリングしたものがあると使い方や音の雰囲気がイメージしやすく気軽に使えます。


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