ギター用のマルチエフェクターのZOOM「G1 FOUR」とBOSS「GT-1」には、様々なアンプのモデリングが入っています。
音作りをする上でモデリングの元になった実機にどのような特徴があるのかを理解していると音作りのイメージがしやすくなると思います。
「G1 FOUR」や「GT-1」には沢山のアンプの種類があり、どれが何をモデリングしたものなのか分かりにくいこともあるので、一度整理してみたいと思います。
目次
- 「G1 FOUR」と「GT-1」のどちらにも入っているもの
- ◆「MS 1959」「MS1959 I」 ⇒ Marshall「1959」
- ◆「FD TWNR」⇒ Fender 「Twin Reverb」
- ◆「FD B-MAN」 ⇒ Fender「Bassman」
- ◆「FD DLXR」⇒ Fender 「Deluxe Reverb('65) 」
- ◆「UK 30A」「VO DRIVE / VO LEAD」 ⇒ VOX 「AC30」?
- ◆「BG MK1」「BG MK3」「BG LEAD」「BG DRIVE」 ⇒ Mesa Boogie 「combo amp」
- ◆「Recti ORG」 ⇒ Mesa Boogie 「Dual Rectifier」Orange Channel
- ◆「MATCH30」「MATCH DRV」 ⇒ Matchless 「DC-30」
- ◆「MS 800」 ⇒ Marshall「JCM800 2203」
- 「G1 FOUR」にしか入っていないもの
- ◆「MS 45os」 ⇒ Marshall「JTM 45 Offset」
- ◆「FD MASTER」 ⇒ Fender 「ToneMaster」B channel
- ◆「XtasyBlue」 ⇒ Bogner 「Ecstasy」Blue channel
- ◆「HW 100」 ⇒ Hiwatt「Custom 100」
- ◆「ORG120」 ⇒ Orange 「Graphic120」
- ◆「DZ DRV」 ⇒ Diezel 「Herbert」 Channel2
- 「GT-1」にしか入っていないもの
- ◆「JC-120」 ⇒ ローランド「JC-120」のモデリング
- ◆「PR CRUNCH(PRO CRUNCH)」 ⇒ Fenderの「Pro Reverb」
- ◆「T-AMP LD」 ⇒ Hughes & Kettner「Triamp」のAMP3
- ◆「SLDN」 ⇒ Soldano 「SLO-100」
- ◆「5150 DRV」 ⇒ Peavey「EVH5150」のリードチャンネル
- ◆「BGNR UB」 ⇒ Bogner「Uberschall」
- ◆「ORNG ROCK」 ⇒ ORANGE「ROCKERVERB」
「G1 FOUR」と「GT-1」のどちらにも入っているもの
◆「MS 1959」「MS1959 I」 ⇒ Marshall「1959」
「G1 FOUR」に入っている「MS 1959」はMarshall の「1959 SUPER LEAD 100」のモデリングです。
「GT-1」にはいっている「MS1959」もMarshallの「1959」のモデリングです。
「1959 SUPER LEAD 100」は1960年代から製造されていたマーシャルのヴィンテージの代表的なモデルです。
1960年代に作られたのに名前が「1959」なのが紛らわしい。
ジミヘン、ジェフベック、ジミーペイジ、クラプトン、ヴァンヘイレン、イングウェイ、スラッシュ等など神様的な存在のギタリストが「1959」を使っていたということもあり、伝説的なアンプになっています。
「1959」等の初期のマーシャルはストラトキャスターを使用していたギタリストが多く使っていたこともあり、ストラトと相性が良いですが、レスポールのハムバッカーと合わせるとGUNS N' ROSESのようなブルースロック的な雰囲気も出せると思います。
オリジナルの実機は今でも高額な価格で取引されているようです。
◆「FD TWNR」「CLEAN TWIN」⇒ Fender 「Twin Reverb」
「G1 FOUR」に入っている「FD TWNR」と「GT-1」に入っている「CLEAN TWIN」は、Fenderの「Twin Reverb」のモデリングです。
フェンダーと言えば「Twin Reverb」という人も多い代表的なアンプですね。
私は学生の時に先輩に騙されて漆黒のMesa Boogieが置いてある男ばかりのデスメタル系サークルに入ってしまったのですが、隣のキラキラしたオシャレなサークルには「Twin Reverb」が置いてあって羨ましかったです。
Mesa BoogieやMarshallが「陰」だとするとフェンダーのアンプは対極の「陽」という感じで、特に「Twin Reverb」はジャズやカントリーミュージックで使われるキラキラとしたクリーントーンのイメージです。
クリーントーンですが、ややドンシャリ感があります。
クリーントーンですが、ややドンシャリ感があります。
発売された当初は大音量で鳴らしても歪まないという特性が重宝されていたみたいです。
フェンダーのアンプだけあってストラトキャスターやテレキャスターとの相性が良いと思います。
癖が少ないアンプなので歪み系のペダルと組み合わせても色々なサウンドが作れるのも魅力だと思います。
「G1 FOUR」に入っているフェンダーのアンプはどれも良い感じです。
Amplitubeのフェンダーがあまり好きではなくてこれまでフェンダーのモデリングはあまり使って来なかったのですが、「G1 FOUR」でフェンダーのアンプを鳴らしていたら好きになってしまいました。
ツインリバーブの基本的なセッティングは「bass 0」「mid 10」「tre 0」って言われたりしますけど、「G1 FOUR」では「bass 50」「mid 50」「tre 50」が基本的なセッティングになっていると思います。
「GT-1」の「CLEAN TWIN」はトーンを思いっきり上げると歪みっぽくなります。
◆「FD B-MAN」「TWEED」 ⇒ Fender「Bassman」
「G1 FOUR」に入っている「FD B-MAN」と「GT-1」に入っている「TWEED」はFenderの「Bassman」のモデリングです。
「Bassman」という名前のとおり本当はベースアンプらしいのですが、ベースアンプとして使われているところは見たことがないです。
ロカビリーの神様的な存在のブライアン・セッツアーがグレッチにこの「Bassman」を繋いで使ってました。
同じフェンダーの「Twin Reverb」とは打って変わって攻撃的で格好よいクランチサウンドが魅力的ですね。
ブライアン・セッツアーはグレッチがトレードマークですが、フェンダーのアンプらしく「Bassman」はストラトキャスターやテレキャスターとの相性も良いです。
ブルージーでくすんだような出音ですが、癖が少なめなのでロカリビリーだけでなく、ブルースやロックなどにも使える守備範囲の広いアンプだと思います。
「GT-1」の「TWEED」という名称は、「Bassman」などのアンプがまとっているイギリスの「ツイード」という毛織物の名前から来ているみたいです。
◆「FD DLXR」⇒ Fender 「Deluxe Reverb('65) 」
「G1 FOUR」に入っている「FD DLXR」と、「GT-1」に入っている「DxCRUNCH」は、Fender の「Deluxe Reverb」のモデリングです。
「デラリバ」なんて言われたりもしますが、スピーカーが2基入っていて出力も大きい「Twin Reverb」に比べると、「Deluxe Reverb」はスピーカーも小さく出力も20W程度と小さめです。
「Deluxe Reverb」はクリーントーンだけでなく歪んだ音も出せるので、フェンダーのサウンドで古き良きロック的な音を出すのに向いていると思います。
中音域が圧縮されたような出音で設定によっては「もちもち」感が出せると思います。
中音域が圧縮されたような出音で設定によっては「もちもち」感が出せると思います。
「Deluxe Reverb」はブルースにも合いますが、「Twin Reverb」と同様にジャズギタリストに使われることもあります。
少し汚れた感じのクリーントーンのほうが好みであれば「Twin Reverb」よりも「Deluxe Reverb」のほうが良いかも知れませんし、「Twin Reverb」は音がクリーン過ぎて音作りしにくいという人にとっては「Deluxe Reverb」のほうが扱いやすいと思います。
歪み系のペダルでリードギター用の音を作るのも良いと思います。
「G1 FOUR」の「Deluxe Reverb」の歪みも良い感じです。歪み系のペダルでリードギター用の音を作るのも良いと思います。
◆「UK 30A」「VO DRIVE / VO LEAD」 ⇒ VOX 「AC30」?
「GT-1」に入っている「VO DRIVE」と「VO LEAD」は、VOX 「AC30」のモデリングです。
「G1 FOUR」の説明書の「UK 30A」の箇所には「クラス A ブリティッシュ・コンボアンプ初期モデルのモデリングサウンド」としか書いていないのですが、こちらもたぶんVOX の「AC30」です。
「AC30」の特徴はギラギラとした高音域と粘っこい中音域でしょうか。
学生の時に加入したバンドの部室にVOXのアンプが置いてあっったですが、それまで5150・メサブギ・JC・マーシャルしか弾いたことが無かった私にとって初めてVOXのアンプで音を鳴らした時に「凄い良い音!」と感動したのを覚えています。
他のアンプとはまた違った強い個性がありますよね。
またVOXの粘っこい音はテレキャスターと相性が良いのでカッティングを鳴らしても気持ち良いですし、「AC30」はQUEENのブライアン・メイが使っていたことでも有名なので、少し歪ませてのようなロックに使っても格好よいです。
また「AC30」をレスポールなどのハムバッカーで使うと特有の粘っこさの良さがより表に出てきてよりVOXらしいサウンドになります。
「G1 FOUR」で「UK 30A」を鳴らしてみたところあまりVOXっぽい雰囲気が出なかったのですが、思い切ってキャビネットのHiとLoをどちらも「100」近くに上げてみたろこと、VOXらしいモチモチした粘りと高音域のギラギラとした雰囲気が出てきました。
通常はEQは全部MAXにするなんてことはやってはいけないことなのですが、「G1 FOUR」のキャビネットのHiとLoは通常のEQとは異なり、設定を変えることで音質や音の性格が変わるので常識にとらわれずに色々な設定を試してみると自分の好みの音が作れるような気がします。
◆「BG MK1」「BG MK3」「BG LEAD」「BG DRIVE」 ⇒ Mesa Boogie 「combo amp」
「G1 FOUR」に入っている「BG MK1」はMesa Boogie 「Mark I combo amp」のモデリングです。
「GT-1」に入っている「BG LEAD」「BG DRIVE」もMesa Boogieのコンボアンプのモデリングみたいですね。
「G1 FOUR」では後から「BG MK3」という名前の「Mark III combo amp」のモデリングもダウンロードできます。
実機の「Mark I 」が販売された1972年よりも前は歪んだ音を出すためにはアンプで大きな音を出す必要があったらしいのですが、「Mark I 」は比較的小音量でも格好よいオーバードライブサウンドが出るということで人気だったみたいです。
学生の時に部室にメサブギーのコンボアンプがありました。
格好よい音が簡単に出るんですが歪ませると音が籠もりやすく、バンド全体で演奏するとギターの音が埋もれやすいので、調整が結構難しかったというイメージです。
格好よい音が簡単に出るんですが歪ませると音が籠もりやすく、バンド全体で演奏するとギターの音が埋もれやすいので、調整が結構難しかったというイメージです。
しかも大きさの割にはかなり重くて、ライブのために持ち運ぶ時に苦労した思い出があります。
メサブギーはメタル系のイメージがありますが、最初のメサブギーはフェンダーのアンプを改造したところから始まったようで、「MARK」シリーズのクリーントーンもフェンダーに似て綺麗です。
そのためメサブギーの「MARK」シリーズはジャズやブルースなんかにも使われることがあります。
レクチファイヤーだけでなく「MARK」シリーズのアンプを2個もモデリングしているZOOMは凄いですね。
「G1 FOUR」の「BG MK1」は歪ませた音よりもクリーンのほうが何にでも合う感じで使いやすいと思いました。
「G1 FOUR」の「BG MK1」は歪ませた音よりもクリーンのほうが何にでも合う感じで使いやすいと思いました。
◆「Recti ORG」 ⇒ Mesa Boogie 「Dual Rectifier」Orange Channel
「G1 FOUR」に入っている「Recti ORG」と「GT-1」に入っている「R-FIER VTG」「R-FIER MDN」はMesa Boogieの 「Dual Rectifier」Orange Channel(チャンネル2)のモデリングです。
実機の見た目が格好良いので好きです。
「レクチ」って呼ぶ人も多いと思いますが、メタル、パンク、ハードロック、ラウドなど荒々しい音楽には無くてはならないハイゲインの代名詞のようなアンプですね。
ダウンチューニングとも相性が良く、ブリッチミュートをしながらズクズクと刻んだ音も心地よいです。
実機には透明感のあるクリーンチャンネルもあるのでポップやブルースなどにも対応できるのですが、「G1 FOUR」と「GT-1」に入っている「Recti」はハイゲインのオレンジチャンネルのモデリングなので綺麗なクリーントーンは出ないです。
個人的にはDAWのAmpliTubeの中に入っている「Rectifier」の使い勝手が良く頻繁に使っているので、マルチエフェクターにも入っているのは有り難いです。
◆「MATCH30」「MATCH DRV」 ⇒ Matchless 「DC-30」
「G1 FOUR」に入っている「MATCH30」と「GT-1」の「MATCH DRV」は、Matchless 「DC-30」のモデリングです。
個人的にはMatchlessは大好きなアンプです。
チャットモンチー、サカナクション、BUMP OF CHICKEN、布袋寅泰など日本の有名なアーティストも使っているので、マッチレスの音を聴いたことがあるという人は多いと思います。
実機のMatchless 「DC-30」はVOX の「AC30」を参考にして作られたという経緯もあって、VOXのよう煌びやかな艶と粘りがあるのですが、抜けが良く突き刺さるような倍音と高音域が心地よいサウンドだと思います。
シンプルにコードをジャカジャカと弾いているだけでも厚みがあって格好良いですし、個性的な音色はバンドの中でも埋もれません。
ただ実機は高いですし弾ける機会があまりないんですよね。
喜び勇んで「G1 FOUR」の「MATCH30」を弾いてみたのですが・・・自分の中でイメージしているMatchlessのような華やかさが足りないような気がしました。
思い切ってキャビネットのHiを100近くにしてみたところ、Matchlessっぽいギラギラ感が出てきて自分のイメージに近くなってきました。
「G1 FOUR」のアンプシュミレーターはキャビネットの設定が肝だと思います。
思い切ってキャビネットのHiを100近くにしてみたところ、Matchlessっぽいギラギラ感が出てきて自分のイメージに近くなってきました。
「G1 FOUR」のアンプシュミレーターはキャビネットの設定が肝だと思います。
色々と調整してみるとさらにMatchlessっぽくできるかも知れないので頑張ってみたいと思います。
「G1 FOUR」にしか入っていないもの
◆「MS 800」 ⇒ Marshall「JCM800 2203」
これは名前から分かりやすいですね。
「G1 FOUR」に入っている「MS 800」はMarshallの「JCM800 2203」のモデリングです。
「MS 800」にはいくつか種類がありますが「2203」は100Wで、インプットが2つあって、マスターボリュームがあるタイプみたいですね。
スタジオに良く置いてあるのでギタリストであれば使ったことがない人はいないくらいメジャーなアンプだと思います。
マーシャルはアンプの帝王的な存在だけあって音は良いんですが、小さめのスタジオで良い音を出そうとすると爆音になるんですよね。
しかもアンプの近くにいる自分にとっては音は良く聞こえないんだけど、他のメンバーにはうるさいって言われたりして、普通のスタジオを使っている一般市民にとっては実機のマーシャルは使い勝手があまり良くなく、本当の良い音を体感できる機会ってそんなに多くないと思います。
「G1 FOUR」のマーシャルの音は本当に良くて、自宅で気軽にマーシャルサウンドを楽しめるようになったのは良い時代だなと思います。
下手に実機のマーシャルの前にマイクを立てて録音するよりも「G1 FOUR」のモデリングを使ったほうが、それっぽい音になるかも知れません。
◆「MS 45os」 ⇒ Marshall「JTM 45 Offset」
「G1 FOUR」に後から追加できる「MS 45os」はMarshallの「JTM 45 Offset」のモデリングです。
「JTM45」はマーシャルが最初に作ったアンプみたいですね。
当然ながら実機は見たことはないですし、実機の音も聞いたことはありませんが、「最初のマーシャルってこんな感じの音だったんだ」という雰囲気が味わえると思います。
実機はもうほどんどないと思うんですが、どうやってモデリングをしているのか興味があります。
◆「FD MASTER」 ⇒ Fender 「ToneMaster」B channel
「G1 FOUR」に後から追加できる「FD MASTER」はFenderの「ToneMaster」のB channelのモデリングです。
「Tone Master」はフェンダーでは珍しいクリーンとハイゲインの2つのチャンネルがあるアンプです。
国内だとLUNA SEAのINORANがライブで使っていたこともあるアンプです。
「G1 FOUR」はこの「Tone Master」のうち、歪みの強いB channel(リードチャンネル)を再現しています。
マーシャルとは違ったアンプの歪みが欲しい時に「Tone Master」の歪みを試してみるのも良いと思います。
◆「XtasyBlue」 ⇒ Bogner 「Ecstasy」Blue channel
「G1 FOUR」に入っている「XtasyBlue」はBognerの「Ecstasy」のBlue channelのモデリングです。
Bognerのアンプ「Ecstasy」の実機には3つのチャンネルがあって、緑がクリーン、青と赤がゲインチャンネル(青よりも赤のほうがより歪みが強い)になっています。
Ecstacyのブルー・チャンネルを再現したペダルが販売されていたくらい人気のアンプですね。
「Ecstasy」はマーシャルを改造して試行錯誤の末に出来上がったという経緯があるため、マーシャルの親戚のようなサウンドがします。
日本人だとB'zの松本孝弘が以前に使っていたことも有名です。
マーシャルよりもリッチできめが細く繊細でクリアな歪みで中音域に粘りとコシがある上品なサウンドだとか言われますが、実機は高額で普通のスタジオには置いていないということもあり、「高級アンプだということは分かっているものの弾いたことはない」、という人のほうが多いと思います。
私もBognerの「Ecstasy」は弾いたことはありませんし、アーティストがライブで弾いている時くらいしか実機の音を聞く機会がないです。
そのような高額なアンプのサウンドの雰囲気をモデリングで簡単に味わえるのは有り難いと思います。
◆「HW 100」 ⇒ Hiwatt「Custom 100」
「G1 FOUR」に入っている「HW 100」はHiwatt「Custom 100」(DR103?)のモデリングです。
HiwattはマーシャルやVOXと同様にブリティッシュアンプの代表的な扱いで、「ブリティシュなサウンド」が特徴的です。
音の輪郭の良さや歯切れの良さはVOXに似たような雰囲気もあり、歪みはマーシャルに似たような印象も受けますが、Hiwatt独自の音でもあるので、VOXでもマーシャルなく、「Hiwattの音が好きなんだ」という人もいると思います。
Bognerと同じくHiwattのアンプは日本ではあまり見かけないですね。
楽器屋にも置いていないところのほうが多いような気がします。
◆「ORG120」 ⇒ Orange 「Graphic120」
「G1 FOUR」に入っている「ORG120」はOrange 「Graphic120」のモデリングです。
あのオレンジ色の見た目がインパクト抜群のアンプですね。
Orangeの名機には「OD120」というハイゲインアンプもありますが、「G1 FOUR」に入っている「Graphic 120」の実機はクリアな音がメインのアンプだと思います。
Orangeのアンプは楽器屋さんに置いてることも多いですし、アーティストが使っているのは見たことあるんですが(ナンバーガールやACIDMANなど)、一般の人で使っているのはあまり見かけないような気がします。
アーティストでもキャビネットだけOrangeでアンプヘッドは別のメーカーを使っていたりすることもあるので、音だけでなく見た目が好きで使っているという人もいるのだと思います。
アーティストでもキャビネットだけOrangeでアンプヘッドは別のメーカーを使っていたりすることもあるので、音だけでなく見た目が好きで使っているという人もいるのだと思います。
Orangeの実機は弾いたことはないのですが、「G1 FOUR」の「ORG120」の歪みは癖が少なく、何にでも合いそうな守備範囲の広い音色だと感じました。
◆「DZ DRV」 ⇒ Diezel 「Herbert」 Channel2
「G1 FOUR」に入っている「DZ DRV」はDiezel の「Herbert」の Channel2のモデリングです。
「Herbert」はチャンネル1がクリーン、チャンネル2がクランチ、チャンネル3がハイゲインとなっていますが、「G1 FOUR」がモデリングしているのはチャンネル2みたいですね。
黒々とした見た目のとおりメタルやパンクと相性の良い図太いハイゲインサウンドが特徴的です。
高額なので普通のライブハウスでは見かけませんが、プロのギタリストが使っているイメージです。
Mesa Boogieの 「Rectifier」と状況に応じて使い分けるのが良いと思います。
「GT-1」にしか入っていないもの
◆「JC-120」 ⇒ ローランド「JC-120」のモデリング
安くて壊れにくいという理由でスタジオや部室に良く置いてあるいわゆるジャズコ(ジャズコーラス)ですね。
パキパキと硬い音がするので苦手な人も多いと思います。
ギターが2人いるとどちらがJC-120を使うかで揉めますし、「ジャズコ対策」という言葉があるくらい良い音を出すには知識と経験が必要になってきたりします。
強い歪みを作るのも難しいですが、ローランド(=BOSS)のアンプだけあってBOSSの「BD-2」などのオーバードライブペダルと相性が良いですし、プロがジャズコで鳴らすと甘くて美しいサウンドが出たりするんですよね。
せっかく「GT-1」に「JC-120」のモデリングが入っているので、色々なエフェクトと組み合わせて究極のクリーントーンを目指してみるのも良いと思います。
◆「PR CRUNCH(PRO CRUNCH)」 ⇒ Fenderの「Pro Reverb」
「GT-1」に入っている「PR CRUNCH」はFenderの「Pro Reverb」のモデリングです。
実機の「Twin Reverb」はスピーカーが2基入っていて85Wであるのに対し、「Pro Reverb」はスピーカーが1基で40Wです。
「Pro Reverb」は「Twin Reverb」の小型バージョン的な扱いだと思うのですが、出力が小さい分、歪みやすいです。
「Twin Reverb」や「Bassman」と比べると「Pro Reverb」の実機は出回っている台数が少ないのではないかと思います。
高音域が少しギラギラとした印象ですね。
高音域が少しギラギラとした印象ですね。
◆「T-AMP LD」 ⇒ Hughes & Kettner「Triamp」のAMP3
「GT-1」に入っている「T-AMP LD」はHughes & Kettnerの「Triamp」のAMP3のモデリングです。
実機の「Triamp」は暗闇の中でネオンみたいに青く光るのが格好よいんですよね。
「Triamp」にはAmp1からAmp3までの3つのプリアンプが搭載されていますが、Amp3はディストーションサウンドですね。
歪みのきめが細かいながらもブリテイッシュで粘り気が感じられるサウンドが特徴的で、歪ませて使う場合には基本的にはどんなジャンルにも合いやすいと思います。
「GT-1」の「T-AMP LD」は歪みとして使う場合、アンプだけで完成しているような音なので、ペダルを組み合わせなくても簡単にそれっぽい音が出せると思います。
アンプだけで使う場合にはシングルコイルよりもハムバッカーのほうが合ってるかも知れません。
「GT-1」の「T-AMP LD」は歪みとして使う場合、アンプだけで完成しているような音なので、ペダルを組み合わせなくても簡単にそれっぽい音が出せると思います。
アンプだけで使う場合にはシングルコイルよりもハムバッカーのほうが合ってるかも知れません。
◆「SLDN」 ⇒ Soldano 「SLO-100」
「GT-1」に入っている「T-AMP LD」はSoldanoの「SLO-100」(Super Lead Overdrive 100)のモデリングです。
ソルダーノはAmplitubeにも入っていて「Soldano」のロゴが入った見た目が格好よいので既視感は凄くあるのですが、実機は見たことがないです。
プロが使っているのは見たことあるけど、実機を弾いたことはないという人がほとんどで、庶民にはなかなか手の届かないアンプだと思います。
エリック・クラプトンなど使っていた1980年代から1990年代を代表するサウンドですね。
きめが細かい上品な歪み方でありつつ、抜けも悪くなく粘りもあるサウンドです。
Bogner の「Ecstasy」と同様にマーシャルの上位互換と考える人も多いと思いますが、「歪みはもっと荒々しくあるべきだ」という人にとってはマーシャルのほうが相性が良いかも知れません。
◆「5150 DRV」 ⇒ Peavey「EVH5150」のリードチャンネル
こちらは名前から明らかでが、「GT-1」に入っている「5150 DRV」はPeavey「EVH5150」のリードチャンネルのモデリングです。
高校生の時に通っていた小さな雑居ビルのスタジオに「5150」があったのが懐かしいです。
名前が格好よいですよね。
当時は秋葉原で3000円くらいで買ってきた安物のディストーションを繋いで感電しながら弾いていたので「5150」の良さは全く分かっていませんでした。
「EVH5150」の「EVH」がエドワード・ヴァン・ヘイレンの頭文字であるように、「5150」シリーズはヴァンヘイレンのシグネイチャーアンプです。
そのため「5150」はヴァンヘイレンのような「ブラウンサウンド」と呼ばれる独特の音色を出すのに適したアンプです。
ニックネームやアドレスに「5150」という数字が入っている人を見ると「この人はヴァンヘイレンが好きなんだな」と思ってしまいます。
BOSSのアンプの「刀」シリーズにも「ブラウンサウンド」が搭載さているので、BOSSの中の人はヴァンヘイレン押しなのかも知れませんが、「5150」の音は守備範囲が広い音なので、音作りに迷ったらとりあえずこのアンプを試してみるのも良いと思います。
「GT-1」に入っている「BGNR UB」はBognerの「Uberschall」のハイ・ゲイン・チャンネルのモデリングです。
ZOOMのマルチにもBognerのモデリングは入っているのですが機種が違うんですね。
Bogner の「Ecstasy」と同様に改造マーシャルらしく高域から低域まで綺麗に歪みますが、芯の太さもあります。
優等生っぽい歪みの音が好みの人は、マーシャルよりもBognerのほうが合うと思います。
◆「BGNR UB」 ⇒ Bogner「Uberschall」のハイ・ゲイン・チャンネル
「GT-1」に入っている「BGNR UB」はBognerの「Uberschall」のハイ・ゲイン・チャンネルのモデリングです。
ZOOMのマルチにもBognerのモデリングは入っているのですが機種が違うんですね。
Bogner の「Ecstasy」と同様に改造マーシャルらしく高域から低域まで綺麗に歪みますが、芯の太さもあります。
優等生っぽい歪みの音が好みの人は、マーシャルよりもBognerのほうが合うと思います。
◆「ORNG ROCK」 ⇒ ORANGE「ROCKERVERB」
「GT-1」に入っているORANGEの「ROCKERVERB」のモデリングです。
このORANGEの実機の音は聞いたことはないのですが、「GT-1」の「ORNG ROCK」の音はマーシャルの高音域を大人しくしたような印象です。
使いやすい音だとは思いますが、インパクトが足りないと感じた場合にはトレブルを上げ目にしたほうが良いかも知れません。

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