浜松市のふるさと納税でBOSSのエフェクターがもらえるのですが、2022年11月末時点で残っているのが以下の3機種でした。

◆「WAZA-CRAFT CE-2W Chorus」



◆「WAZA-CRAFT DC-2W Dimension C」



◆「WAZA-CRAFT VB-2W Vibrato」





BOSSのコーラスは種類が多く、特徴や分類が分かりにくいので、整理してみました。


先に結論を述べておくと、個人的には現行機種の中では↓のように考える選びやすいのかなと思っています。

○レトロな雰囲気のコーラスが好き
⇒「CE-2W」


○フィルターを使って細かく音を調整したい
⇒「CE-5」


○マルチエフェクターを持っていないので定番のコーラスの音が欲しい
⇒「CH-1」


○音の綺麗さ・広がり感が欲しい
⇒「DC-2w」




  • ◆「CE」系

「WAZA-CRAFT CE-2W Chorus」は、BOSSのコーラスの中でももっとも歴史の深い「CE」系のペダルです。

「CE」は「Chorus Ensemble」の略なのですが、「CE」系のペダルの中には「Chorus Ensemble」という名前が入っていないものもあり、これがBOSSのコーラスエフェクターの分類の分かりにくさの原因の1つになっています。


  • ○「CE-1  Chorus Ensemble」

その中でも世界で最初に発売されたのがBOSSの「CE-1  Chorus Ensemble」です。

スタジオに良く置いてあるトランジタアンプの代表格のジャズコーラス(JC-120など)のコーラス部分を取り出したのがこの「CE-1」なので、ジャズコーラスのコーラスと似たような音がでます。

「CE-1」は、BOSSの通常のコンパクトエフェクターよりもかなり大きめ(通常のコンパクトエフェクター3個分くらい)ですが、生産が終了した現在でもかなり人気のある機種で、中古市場で10万円以上の高値で取引されています。



この「CE-1」はAmplitubeなどのプラグインにモデリングとして入っていることが多いですし、ジャズコーラスに搭載されているコーラスエフェクターを使うという方法もあるので、必ずしも「CE-1」の実機がなければ「CE-1」と同じような音を出せないという訳ではないのですが、やはり「世界初のコーラスエフェクター」というプレミア感は半端ではないようです。

なお、現在発売されている「CE-2W Chorus」にも「CE-1」モードが搭載されていて、「CE-1」と同じような音が出せるようになっています。


  • ○「CE-2 Chorus」

「CE-1 Chorus Ensemble」の後継機種が「CE-2 Chorus」です。

「Ensemble」の文字が消えて、シンプルな「Chorus」という名称に変わりました。

大きな筐体が特徴だった「CE-1」と違って、「CE-2」は現在のBOSSのペダルと同様の小さめのサイズになっています。

「CE-2」はステレオ仕様「ではない」という弱点があったのですが、温かみのある音色が素晴らしく、こちらも生産が終了した現在でも中古市場で高値で取引されています。

現在は「CE-2W」というステレオ仕様の新しいペダルが出ているので、中古市場でオリジナルの「CE-2」を買うよりも、「CE-2W」を買ったほうが、コストパフォーマンスは高いと思います。


  • ○「CE-3 Chorus」

「CE-2 Chorus」の後継機種が「CE-3 Chorus」です。

「CE-3」は、ステレオアウトジャックが搭載され、コーラスのエフェクトがかかった音をステレオ出力できるようになりました。

これによって音の広がりをより繊細に表現できるようになったので、「CE-3」は「CE-2」の上位互換と言えそうなのですが・・・。

しかし、実際には中古市場では「CE-3」よりも「CE-2」のほうが圧倒的に高値で取引されています。

「CE-3」の販売時期は10年以上あり流通量が多かったということも1つの要因だと思いますが、「CE-3」と「CE-2」では内部に搭載されている電子部品(BBD遅延素子・バケツリレー素子)の種類が違うようで、そのために両者の音も違います。

「CE-2」の音は「レトロで古っぽい」「カドなく丸い」「太くて濃い」という印象であるのに対し、「CE-3」の音は「明瞭感がある」「細くて薄い」という印象があります。

どちらが良いかは人それぞれに好みだと思いますが、最近多く出回っているデジタルのコーラスエフェクターの音は「CE-3」に近いので、相対的にアナログ感のある「CE-2」の希少価値が上がっているのではないかと思います。


  • ○「CE-5  Chorus Ensemble」

「CE-3 Chorus」の後継機種が「CE-3 Chorus Ensemble」です。

BOSSの「CE系」のコーラスは、「CE-1  Chorus Ensemble」を最後に「Ensemble」の文字が消えていましたが、「CE-5」になって「Ensemble」の文字が復活しました。

「CE-5」の特徴は、ハイパスフィルター・ローパスフィルターが搭載されている点です。

この2つのフィルターがあることで、幅広い音作りが可能です。

「CE-5」は現在も販売されている機種で、中古市場でも比較的安く取引されますし、音作りの幅も広く無難な音が出せるので、「コスパの良いコーラスを1つ欲しいけど、迷っている」という人にお勧めできるペダルです。


この「CE-5」は最初はアナログだったのが、途中からデジタルに切り替わっています。

正直、自分の耳では、アナログの「CE-5」とデジタルの「CE-5」の違いは、ほとんど分からないのですが、アナログにこだわりたい人は「CE-2W」などが選択肢になると思います。


  • ○「CE-2W Chorus」

「CE」系のコーラスとして、比較的最近「技シリーズ」から発売されたのが「CE-2W Chorus」です。

この「CE-2W」は前記の

① 「CE-1  Chorus Ensemble」

② 「CE-2 Chorus」

の両方の音を再現しています。

「CE-2W」の価格は2万5000円程度と高めですが、先ほどのとおりオリジナルの「CE-1」と「CE-2」は中古市場で非常い高値で取引されていますので、3万円以下で「CE-1」と「CE-2」の両方のサウンドが手に入る、しかも生産時期も新しいので壊れる心配もほとんどない、ということを考えると「CE-2W」はお買い得だと思います。

また、この「CE-2W」の音が本当に良いんですよね。

聞いていて落ち着くというか、実家のような安心感があるというか。



  • ◆「CH」系

  • ◇「CH-1 SUPER CHORUS」


BOSSのコーラスには「CE系」とは別に「CH」系があります。

と言っても「CH」系は「CH-1 SUPER CHORUS」の1機種しかありません。

この「CH-1」は1989年に発売されてから30年以上も販売され続けている超ロングセラー商品で、「コーラスの音と言えばこれ」と言っても良いくらい、定番化しているペダルです。

音は現代的ですっきりとした音で、温かみや懐かしさを感じさせる「CE」系とはある意味対照的な立ち位置にあります。

BOSSのマルチエフェクターに入っているコーラスの音もこの「CH-1」と同じような音ですし、他者のマルチエフェクターもこの「CH-1」をモデリングしているものが多いです。

なので、マルチエフェクターを持っている人は、敢えて「CH-1」を別に買う必要性はあまりないかも知れません。

マルチエフェクターを持っていない・買う予定もないという人で、コスパが良い定番のコーラスサウンドが欲しい人は買いだと思います。



  • ◆「DC」系

「CE」系とも「CH」系とも異なる異色の存在感を放っているのが、「DC」(ディメンション)系のペダルです。

「DC」系の特徴は以下のとおりです。

・コーラス回路が独立して2系統搭載されており、音の揺れが少ない。

・他のコーラスよりも音の広がりが綺麗。

・逆に音を激しく揺らすことはできないので「コーラス凄いかけてます」みたいな音は出せない。

・基本的に音色は4つのボタンから選ぶシステムなので、細かい調整はできない。


昔はスタジオにRolandの「SDD-320」というラックタイプの大型の機材が置いてあることが多く、プロでもボーカルやキーボードの音に広がりを持たせるために「SDD-320」を使っている人が多かったのですが、この「SDD-320」をギター用にコンパクトエフェクターの形にしたのが「DC」(ディメンション)系のペダルだと考えると少し分かりやすいかも知れません。


「DC」系のペダルとしては「DC-2 DimensionC」「DC-3 Digital Space-D」というペダルがあったのですが、前者は1989年に、後者は1993年に販売終了となっていて、いずれも貴重な存在となっていました。

それが、今回「技シリーズ」の中で「DC-2W~Dimension C」という形で復活することになりました。



しかも、この「DC-2W」は前記のラックライプの「SDD-320」を再現したモードもあるので、ギターだけでなくボーカルやキーボードなどにも使えてしまうという万能さがあります。



「DC」系は前記のように出せる音の範囲は小さめなのですが、音の美しさ・広がり感は「CE」系や「CH」を超えていると思います。

個人的には「CE-2W」のレトロな雰囲気が非常に好みですが、「DC-2W」の美しさも捨てがたいかな、という感じです。

あと「DC」系はまたすぐに廃盤になってしまってプレミアが付いてしまうのではないかと個人的には心配をしています。

  • ◆まとめ

○レトロな雰囲気のコーラスが好き
⇒「CE-2W」

○フィルターを使って細かく音を調整したい
⇒「CE-5」

○マルチエフェクターを持っていないので定番のコーラスの音が欲しい
⇒「CH-1」

○音の綺麗さ・広がり感が欲しい
⇒「DC-2w」