これまで、音楽鑑賞やDTMでヘッドホンを使う時は、AKGの「K240MK2」をメインで使っていたのですが、IPOで利益が出たのでYAMAHAの「HPH-MT8」というヘッドホンを買いました。

両者を比較したいと思います。

値段も違いますし、「K240MK2」は開放型なのに対し、「HPH-MT8」は密閉型なので、「そもそも比較の対象にするのがおかしいだろ」というツッコミもあると思いますが、両者のの購入を検討している方がいれば、何かの参考になればと思います。




  • ○AKG/K240MK2

2019年の1月に買ったヘッドホンです。

レビューの評価がやたら高く、肯定的なコメントが多かったので気になって衝動的にポチりました。

当初は「音が籠もっている」「ボワンボワンしている」「音が遠い」という印象で、「初期不良なんじゃないか?」と思ったくらいでした。

しかし、しばらく使っていたところ「とても良い!」という印象に変わりました。

最初に感じた「音が籠もっている」という点ですが、高音域の音が強くないので、長時間使っていても耳が疲れません。

また「ボワンボワンしている」「音が遠い」と感じた点については、しばらくすると耳が慣れてきて、楽器との距離や空間が感じられるようになり、心地よく音楽を聴けるようになりました。

その他に「K240MK2」が良いと思った点としては

・軽く、締め付けもきつくないので長時間付けていても全く疲れない。寝ながらヘッドホンを付けていても苦痛がない。眼鏡をかけたまま付けても問題なし。

・サイズが自動で調節できるようになっている。3歳の子供でも付けられるので、頭が小さい人でもフィットするはず。

・ケーブルが脱着式で簡単に交換できるようになっているので、断線しても交換すればいいやと割り切ることができる。カールコードとストレートコードを選べる。

・性能の割に1万円以下で買えるので雑に扱うことができる。子供がぶん投げたりしても笑顔でいられる。

・解像度はそこそこあるが、何でもかんでも聞こえる訳ではないので、長時間聴いていても疲れにくい。

・見た目が悪くない。



悪いところはあまりないのですが、敢えて挙げるとすれば、

・高音も低音も強くないので、もともとドンシャリのヘッドホン等を使っていた人にとっては、「物足りない」と感じられるかも知れないこと。

・解像度がもの凄く高いという訳ではないので、DTMでノイズのチェック等にはあまり向いていないこと。

・能率が低くボリュームをそれなりに上げないと音量が出ないこと。(ただし、スマホなどでも十分に使えるレベル。)

・たためないので持ち運びには不便。

・開放型なのでそれなりの音量で音が漏れる。レコーディングには不向き。



  • ○YAMAHA/HPH-MT8

「K240MK2」以外のヘッドホンがどこかにいってしまったので、もう1台くらい欲しいなと思っていたところ、複数のプロの方がYAMAHAの「HPH-MT8」を絶賛しており、レビューの評価も高かったため、また欲しくなってまた衝動的にポチりました。

価格コムをみるとAmazonで2万2000円くらいでした。

「HPH-MT8」が届いて最初に聴いた時は「・・・想像していたほどもの凄く良いという訳ではないかな?」という印象でしたが、しばらく使っていると「K240MK2」よりも「HPH-MT8」のほうが解像度が高く、低音もはっきりと出ていて、リバーブの引き際も締まっている、ということが分かりました。


「HPH-MT8」を使っていて良いと思った点は

・リバーブのかかり具合が良く分かるのでミックスの時には便利。

・音の引き際が上品。引くべきところはスッと音が引く感じで、「K240MK2」のように曖昧な感じではない。

・2万円ちょっとという価格を考えると、かなり音は良い。

・900stのように耳に張り付いた音ではなく、空間や定位を感じられる。

・低音は締まっていて、ミックスの時に確認をしやすい。

・「K240MK2」と同様にケーブルが脱着式で簡単に交換できるようになっていて、カールコードとストレートコードを選べる。


他方、「K240MK2」と比べて「HPH-MT8」がいまいちだと思ったところは

・「HPH-MT8」でミックスをした後、他のヘッドホンやスピーカーで聴くと、ボーカルの音が小さくなっていることが多い。ボーカルのあたりの帯域が強めに押し出されている感じがする。(ただし、不自然ではないし、聞き心地が悪い訳ではない。)

・重い。

・「K240MK2」と比べて締め付けが強めで、眼鏡を付けていると少し痛いことがある(ただし、眼鏡を付けたまま使えないレベルではない。)これを付けたまま寝る気にはなれない。

・そこそこ良いお値段がするので、雑には扱えない。子供がコレで遊び始めると、壊すんじゃないかとドキドキしてしまう。

・いかにも業務用という見た目があまり好きじゃない。



  • ○まとめ

値段も発売時期も違うので、比べること自体が間違っているのかも知れませんが、モニターヘッドホンとして使うことを前提に音質だけ比較すると、「K240MK2」よりも「HPH-MT8」のほうが、圧倒的に音は良いと思いました。

「K240MK2」と「HPH-MT8」の値段の差は1万円ちょっとですが、値段分の音質の差はあると思いました。

ただ、「HPH-MT8」を最初に聴いた時に、期待していた程の感動がなかったのは、これまで使っていた「K240MK2」が十分に良い音を出していたからだと思います。

リスニング用ヘッドホンとして使う分には「K240MK2」で十分なような気がしますし、使っていて疲れないのは「K240MK2」なので、作曲をしたり、音楽鑑賞したり、Youtubeを見たりする分には「K240MK2」のほうが使い勝手は良いと思うので、今後も「K240MK2」は使い続けようと思います。

「HPH-MT8」はDTMで細かい作業をする時には便利なので、ミックスの時などに使おうと思います。

そもそも、ヘッドホンを使ってミックスをすること自体が良くないことは分かっているのですが、自宅だとスピーカーを使えない時間帯が結構あるので、ミックス作業で使いやすいヘッドホンとして「HPH-MT8」は便利だと思いました。

結局、両方持っていれば便利、という結論になると思います。



「K240MK2」と「HPH-MT8」以外にも、モニター用のヘッドホンの選択肢は色々あると思いますが、

・SONY MDR-CD900ST ⇒ 音が近すぎる。低音がほとんど聞こえない。

・SONY MDR-7506 ⇒ 安いし音は好きだがカールコードが嫌い。

・SONY / MDR-M1ST ⇒ 値段が高い。

・audio technica ⇒ 昔使ってたけど何度も壊れた。(レビューでも壊れたというコメントをよく見かける。)

という感じで、個人的にはAKGとYAMAHAの上記2台が使い勝手が良いんじゃないかと考えています。


ただ、beyerdynamicのヘッドホンはまだ使ったことがなく気になっているので、「K240MK2」が壊れたらbeyerdynamic の「DT770PRO」あたりを買って試してみたいな、と思います。