これまで音楽制作用にKORGの「MICROKEY2-37 AIR」を使っていたのですが、「nanoKEY Studio」に買い替えました。
個人的には買い換えて正解だったと思うので、どのMIDIキーボードを買うか迷っている方の参考になればと思い、「MICROKEY2-37 AIR」と「nanoKEY Studio」を比較してみたいと思います。
- ○「nanoKEY Studio」のほうが優れているところ
まず「nanoKEY Studio」の良いと思う点。
・「nanoKEY Studio」には「イージー・スケール機能」がある。
私が「MICROKEY2-37 AIR」を「nanoKEY Studio」に買い換えた主な理由はこの「イージー・スケール機能」です。
「nanoKEY Studio」の「イージー・スケール機能」というのは、曲のキーに合わせて白鍵だけでスケールを弾くことができるという機能です。
(「nanoKEY Studio」の白鍵(ドレミファソラシド)の部分の色は黒いので「白鍵」という言葉を使うと紛らわしいのですが、ここでは一般的なピアノの白い鍵盤を「白鍵」と言います。)
一般的なピアノやキーボードでは、ハ長調(Cメジャー)とイ短調(Aマイナー)は、主に白鍵だけで弾けるのですが、それ以外の調(キー)では、白鍵だけでなく、黒鍵も使わないと弾くことができません。
小さい時からピアノを習っている人であれば大した問題ではないと思うのですが、鍵盤が不得意な人にとっては、この白鍵と黒鍵の両方を使ってスケールを弾くというのは結構面倒です。
「今はEマイナーだから、この白鍵は押してはダメで、この黒鍵は押しても良くて・・・」みないなことを考えているだけで、面倒です。
「これだけテクノロジーが進化しているんだから、いい加減そろそろ白鍵だけで弾けるキーボードを誰か作れよ!」と思っていたのですが・・・
あった。
「nanoKEY Studio」です。
曲のキーを設定するだけで、Eマイナーだろうが、Fメジャーだろうが、どのキーでも白鍵だけでスケールを弾くことができます。
メロディを考える時も適当に白鍵を弾いていれば、それっぽいメロディになりますし、コードを考える時も、ハ長調(Cメジャー)やイ短調(Aマイナー)と同じように基本的に白鍵を1個飛ばしで弾けば和音になるので、難しいことを考える必要はありません。
この「nanoKEY Studio」の「イージー・スケール機能」は、鍵盤が苦手な人にはもの凄く便利です。
・「nanoKEY Studio」には「スケール・ガイド機能」がある。
「イージー・スケール機能」と似たような名前ですが、「nanoKEY Studio」には「スケール・ガイド機能」というものもあります。
これは、現在の曲のスケールに合った鍵盤を光って教えてくれる、という機能です。
この機能も便利で、一般的なメジャースケールや、マイナースケールの他にもブルーススケール、ペンタトニックスケール、ラーガ・バイラブ・スケール(インド音階)、琉球音階、中国っぽいスケールなども表示してくれます。
・「nanoKEY Studio」はとてもコンパクト
「nanoKEY Studio」はとても小さいです。
配送業者の方から荷物を受けとった時に、箱が小さすぎて、荷物が間違っているんじゃないかと思ったくらい小さいです。
A4サイズくらいの大きさ(27.8cm× 16cm)なので、机の上が狭くても置くことができますし、膝の上で弾いたりすることもできます。
・「nanoKEY Studio」パッド、ノブ、タッチパッドが付いている
「nanoKEY Studio」には、ドラム入力などに使えるパッド、DAWやプラグインをコントロールできるノブ、アルペジオを作成したりできるタッチパッドが付いています。
私は今のところどれも使っていませんが、ノブでDAWやプラグインをコントロールできるのは結構便利だと思います。
- ○「MICROKEY2-37 AIR」のほうが優れているところ
次に「MICROKEY2-37 AIR」の良いと思う点。
・鍵盤の弾きやすさ
見た目で分かるとおり鍵盤の弾きやすさは圧倒的に「MICROKEY2-37 AIR」のほうが良いです。
「MICROKEY2-37 AIR」の鍵盤は普通のピアノの鍵盤よりも小さいのですが、もの凄く弾きづらいという程の小ささではなく、慣れれば普通のピアノに近い感じで弾くことができます。
鍵盤を押した感じは普通のピアノよりは軽いですが、それ程弾き心地は悪くありません。
他方、「nanoKEY Studio」の鍵盤は、ノートパソコンのキーボードにある「スペースキー」が縦に並んでいるような感じ、「弾く」というよりも「押す」という感じです。
押す場所によっては反応してくれないこともあり、綺麗に弾くためにはコツを掴む必要があります。
鍵盤を普通に弾ける人にとっては、この鍵盤の弾きづらさは、ストレスになるかも知れません。
・鍵盤の数の多さ
「MICROKEY2-37 AIR」の鍵盤の数は名前のとおり「37」鍵です。
「37」で足りなければ、49鍵の「microKEY2-49」や61鍵の「microKEY2-61」などのラインナップもありますし、もっと小さい方が良ければ25鍵タイプの「microKEY2-25」などもあります。
他方、「nanoKEY Studio」の鍵盤は25鍵だけです。25鍵以外の選択肢はありません。
25鍵だと、「鍵盤が光左手でコード弾いて、右手でメロディを弾く」みたいなことは至難の業です。
ちなみに「MICROKEY」も「nanoKEY Studio」も、ボタンを押すことで1オクターブずつ音域を変えることができるため、鍵盤の数が少なくても全ての音域の音を弾くことは可能です。
そうは言っても弾きながらオクターブを変えるボタンを押して・・・ということは無理なので、やはり鍵盤の数が多かったり、鍵盤の数を選べる「microKEY」のほうが便利です。
- ○「MICROKEY2-37 AIR」と「nanoKEY Studio」の同じところ
・Bluetoothで接続できる、という点は同じ。ただし・・・
「MICROKEY2-37 AIR」と「nanoKEY Studio」もBluetoothで接続できます。
やっぱりケーブルで繋がなくて良いというのは便利です。
「MICROKEY2-37 AIR」はBluetoothで接続していました。
ただ「nanoKEY Studio」については現在はUSBケーブルで繋いでいます。
というのも、「nanoKEY Studio」は鍵盤が光るので、USBケーブルで繋いでおかないと、電池が結構な勢いで無くなっていくんです。
充電式の電池にすれば良いという考え方もあるのですが、頻繁に電池を充電したり交換したりするのは面倒なので、結局USBケーブルで繋いでいます。
「nanoKEY Studio」をUSBケーブルで繋ぐメリットもあって、USBケーブルで繋いだ状態で、「nanoKEY Studio」を放置していると、鍵盤やパッドがキラキラとランダムで光るんですよね。
暗闇で見ると何か格好いい、というくらいのメリットなのですが、「早う弾け」と言われているようで、個人的には結構好きです。

・ピアノ音源やシンセ音源のソフトウェアが付いてくる
「MICROKEY2-37 AIR」にも「nanoKEY Studio」にもピアノ音源やシンセ音源のソフトウェアが付いてきます。
音源を持っていない人でも、パソコンやiPadがあれば、これらのキーボードに付いてくる音源で、すぐに音を出すことができます。
「MICROKEY2-37 AIR」に関しては、手が小さい子供用の練習用のピアノとしても、そこそこ使えるんじゃないかと思います。
・価格はだいたい同じ
「MICROKEY2-37 AIR」も「nanoKEY Studio」も安い時だと1万2000円くらいで買えると思います。
- ○まとめ
「nanoKEY Studio」のメリットは、やはり「イージー・スケール機能」だと思います。
鍵盤を弾くのが苦手な人は、「nanoKEY Studio」を買ったほうが幸せになれると思います。
また、机の上が狭いという人や、入力用のキーボードを持ち運びたいという人にとっては、コンパクトな「nanoKEY Studio」のほうが使い勝手は良いと思います。
他方、「MICROKEY2-37 AIR」のメリットは、鍵盤の弾きやすさや、鍵盤の数の多さです。
普通に鍵盤を弾ける人ならば、「MICROKEY2-37 AIR」のほうが使いやすいと思います。
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