先日の記事で書きましたが、Total Studio 2 MAXを買いました。
Total Studio 2 MAXにはT-RackS 5 MAXが含まれているのですが、このT-RackS 5 MAXに入っているプラグインの数は38個とかなりの数です。
それぞれのプラグインがどのようなものか整理してみました。
- Master Match
Master Matchは、リファレンスの曲の周波数のバランスや、ラウドネスを分析して、自分が作成した曲のトラックに適用してくれる、というイコライザー(EQ)です。
使い方は以下のとおりです。
①イコライザーを使いたいトラックにMaster Matchをインサートする(他のプラグインもインサートしている場合は一番最後に入れる)
②Master Matchにリファレンス元のデータをドラック&ドロップして「Learn References」ボタンをクリック
③「Learn Source」ボタンをクリックして、DAWの再生ボタンをクリック
④「Match」をクリックすると、Master Matchをインサートしたトラックに、リファレンス元と同じような周波数バランスになるようにイコライザーが適用される
「LFLimit」や「HFLimit」をオンにすると低音域・高音域でのマッチングが反映されるのを制限できます。
Master Matchを実際に使ってみたところ20kHzのあたりが異常に持ち上げられることがあったので、私は「HFLimit」はオンにして使っています。
また右側のフェーダーでマッチングの反映のレベルを調節できます。
世の中どんどん便利になっていますね。
- EQual
EQualは、10バンドのパラメトリックEQ(イコライザー)です。
マニュアルによると「超クリア」「非常に透明なサウンド」「超高精度」とのこと。
音がクリアで、アナライザー的な周波数の波形がリアルタイムで表示されるので、視覚的にイコライジングすることができます。
任意の場所をクリックするだけでバンドが作成されるのも今時のイコライザーという感じで便利です。
L / Rモードだけでなく、M / Sモードでの操作も可能です。
私はアナライザーのついたEQは持っていなかったので、EQualの存在はありがたいです。
耳だけで判断してしまうと朝と夜で聞こえ方が微妙に違ったりするので、やはり視覚的にイコライジングできるのはよいですね。
- EQP-1A Vintage Tube Program Equalizer
EQP-1A Vintage Tube Program Equalizerは、とても有名なヴィンテージイコライザー「Pultec EQP-1A」をモデリングしたイコライザーです。
パラメトリックEQと異なり自由度が少ないですが、適当にいじっても変な音になることはなく、音の重心を変えるのに便利です。
真空管を使ったヴィンテージイコライザーをモデリングしているため、通しただけで音の質感が変わります。
- Master EQ 432
Master EQ 432は、マスタリングEQとして有名な「Sontec MES-432C」をモデリングしたイコライザー。
マスタリングの際に使うことで、自然かつ繊細で透き通るようなイコライジングが可能です。
T-RackSのイコライザーの中でもこの「Master EQ 432」は気に入って使っている人が多いようですね。
- EQ 73
EQ 73は、ヴィンテージイコライザー「Neve 1073」をモデリングしたイコライザーです。
Neve 1073を通した音は「シルキー」「なめらか」「まろやか」と表現されたりしますが、EQ 73を通すと倍音が加わって明瞭感が増したような音質になります。
マニュアルによると「通過する信号は太くて大胆になって、楽器が際立つ」と書いてあります。
ドラム、弦楽器、ボーカルなど、前に出てきて欲しい楽器のトラックに刺すと良いと思います。
- EQ 81
EQ 81は、ヴィンテージイコライザー「Neve 1081」をモデリングしたイコライザーです。
EQ 73よりもEQセクションが増えていて、4つの独立したバンドがあります。
EQ 73に比べると音の変化が少なく、音を明瞭なままブーストすることができるので、クリーン系のギターやボーカルのトラックに刺すと良さそうです。
- EQ PA
EQ PAは1960年代後半から1970年代前半までにアメリカでよく使われたAPI 550Aをモデリングしたイコライザーのようです。
マニュアルによると「厚みのあるサウンド」「太くてパンチのある」という特徴を与えるのだとか。
たしかに、使ってみると骨太で温かみのあるサウンドになり、楽器の存在感が増える印象です。
楽器の種類を問わずに使えるイコライザーだと思います。
細かい調整にあまり向いておらず、大雑把に音の重心やトーンを変えるために使うイコライザーという立ち位置だと思います。
- EQ PB
EQ PBはEQ PAよりもバンドが多い4バンドのイコライザーです。
API 550Bをモデリングしたもののようです。
マニュアルには「特に、スペクトルのミッドレンジ部分では、2つの重なり合うバンドが複雑な形状を作成し、トラックの深いスカルプトを可能にします」と書いてあるとおり、EQ PAより中音域を細かめに調整できます。
そのため、ボーカルやギターなど、中音域がメインになるトラックで使うのが良さそうです。
- EQ PG
EQ PGは10バンドのグラフィックイコライザーです。
API 560をモデリングしたもののようです。
私はグラフィックイコライザーの現物はBOSSのGE-7くらいしか見たことがないです。
細かい調整をしたいのであればパラメトリックEQを使うと思いますし、音を変えたい時にはEQ PAやEQ PBでも良いと思うので、まだこのEQ PGの使いどころが分かっていません。
- Classic T-RackS Equalizer
Classic T-RackS Equalizer以前に無料でも配られていた、6バンドパラメトリックイコライザーですね。
T-RackSといえば私は昔ながらのこの黄色のイメージでした。
ヴィンテージ系のモデリングイコライザーと異なり通しただけで音が大きく変わるということはありません。
イコライザーのカーブを目で見ることができるので視覚的にイコライジングすることが可能ですが、細かい調整にはEQualのほうが良さそうです。
- Linear Phase Equalizer
このLinear Phase EqualizerはClassic T-RackS Equalizerの上位版という立ち位置でしょうか。
Classic T-RackS Equalizerと比べると「Freq/Q」のノブが増えていて、レベルメーターがついてます。
次はコンプレッサー・リミッターなどを見ていきたいと思います。
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